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    ★企業情報化
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今回は、企業における情報化について述べて見たい。

最近、大企業、中堅企業はもちろん、中小企業、個人企業においても情報化は避けて通れないものとなってきている。避けても通れるのですが、避けているとそのうち競争力を失うでしょう。
なぜでしょう。その理由を追求したいと思います。

企業(営利企業)における情報化の目的は何でしょうか?

答えは、「利益を生み出すこと」です。

これを間違わないようにしなくてはならない。

企業は何のためにあるのか。
社会が求めているもの(ニーズ)を追求し、その解決策を考え、物やサービスを提供していくことが企業の使命である。その成果として、代価を得る。
たえず利潤を追求し、存続していかなくてはならない。
利益は、「売上の向上」と「コストの削減」により実現可能である。

この企業目的や使命を果たすために情報化がなくてはならない。

それでは、情報化はどのように企業目的に貢献できるのかである。
一番貢献しやすいのが、コストの削減である。

コンピューターは電子計算機とも言われるように、決められた単純な計算は大得意である。正確かつ速い。人間がコンピューターにかなわないところである。
つまり、人間が行っていた単純な計算業務をコンピューターに行わせることで、大幅な人件費の削減が可能である。

例えば、給与計算を例に取ると、20000人の給与計算を電卓かそろばんで行っていたら、それこそ大量の人が必要である。これをコンピューターにやらせれば、変動するデータ(残業代など)の入力だけで、計算結果が瞬時に得られる。これだけでどれほどの固定費(人件費)が節約されるだろう。
給与(150000)・賞与(300000)・社会保険(20000)・退職金(5000000)30才の事務員が60まで働くとして、単純に計算しても、
(150000×12ヶ月+300000×2回+20000×12ヶ月)×30年+5000000=84,200,000円の人件費が削減される。

これは、一人削減できるとして計算した場合の例である。
かといってすぐにやめさせるわけにはいかないが、その分他の仕事をしてもらえる。

これはすごい効果である。
給与計算を1つとってもこのように効果があるのである。まあ、一番効果の現れやすい企業活動においての分野である。いわゆる電卓やそろばんをはじいている仕事は一番コンピューター化しての効果の現れやすい分野である。
この分野では、長い目で見て情報化は避けて通れないものである。

20000人も従業員がいればこんなことが言えるが、5人くらいの従業員ではほとんど効果が無いのでは、という疑問がある。
たしかに効果は少ない。しかしながら、時間短縮は可能である。最近の給与計算パッケージにおいては、年末調整や特別減税などの計算をコンピューターがしてくれる。知識がほとんどなくても自動計算である。そんな副次的な効果もある。
5人くらいなら、コンピューターの能力はあまり必要としないので、投資は少なくて済む。少し長い目で見ると効果は必ず出てくる。
ある一定の仕事を少しでも短い時間で済ませることができれば、通算すれば、相当の時間が節約されることで、企業の利益は増えると考えられる。

決まった仕事で、コンピューターで出来ることは、出来るだけ情報化をしていくことで、長い目で見ると利益を生み出す構造となる。その空いた時間を人間がしなくてはならないことに全力を尽くしていくことが、利益を生み出し、ひいてはお客様に商品やサービスを安く提供でき、競争力が増す。
この仕組みに早く気づき、積極的な情報化投資を行うべきである。

一方、情報化により、売上の増大にどう結びつけるか。
これは、非常に難しい要素である。コンピューターによって売上が増大したのか、人間によってなのかが判別できないことが多い。


※次回に続く