日本のみなさん、豊かさの中で貧しさを忘れないでください


マザーテレサは昭和56年4月22日に来日、28日までの1週間日本に滞在しました。
日本人にたいしてマザーが残した数々のメッセージの中からご紹介します。

日本には、神に飢えた人がたくさんいます
生活に祈りを持つようにしてください
祈れば、心が澄み、心が澄めば、神が見えてきます

神が見えれば神の愛が働いて、ことばでなく行動で愛をあらわしたくなります。
祈りは、愛を深くし、愛が奉仕を生みます。
日本の人も祈って下さい。

生活に祈りを持てば、貧しい人びとを知るようになります。
貧しい人を知れば、彼らを愛するようになり、助け、愛と平和の喜びをあたえます。

家庭に、神の愛をもたらせば、平和と喜びがみち、それは隣人にも及びます。
家庭が、共に祈れば共にあり、共になれば愛し合います。
愛があれば分かち合います。

隣人を訪ね、その愛は自己犠牲にまで高まります。
そして、愛はまた愛を生みます。

狭い路地を何度も曲がって歩きました。

私がショックだったのは、酔っ払った中年の男の人が路上に倒れているのに、誰も手をさしのべる人がいなかったことです。

「けさ、私は、この豊かな美しい国で孤独な人を見ました
この豊かな国の大きな心の貧困を見ました。」

「カルカッタやその他の土地に比べれば、貧しさの度合いは違います。
また、日本には貧しい人は少ないでしょう。」

「でも、一人でもいたら、その人はなぜ倒れ、なぜ救われず、その人に日本人は手をさしのべないのでしょうか。

その人が飲んだくれだから!
でも、彼もわたしたちも兄弟です。
本人はきっと孤独でしょう。

みなから無視されての……。
やけ酒かもしれません。」

「私は、短い間しか日本に滞在しないので手を貸してあげるのは、せんえつだと思い、何もしませんでしたが、もし、女の人が路上に倒れていたらその場で、語りかけたり、助けていたと思います。

豊かそうに見えるこの日本で、心の飢えはないでしょうか
だれからも必要とされず、だれからも愛されていないという心の貧しさ

物質的な貧しさに比べ、心の貧しさは深刻です。

心の貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりも、もっともっと貧しいことだと思います。

日本のみなさん、豊かさの中で貧しさを忘れないでください。」

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