仕事の「仕」にも「事」にも、仕えるという意味があります。
仕事の「仕」にも「事」にも、仕えるという意味があります。
仕事はするのではなく、させてもらうもの。
仕え切る心で臨まなければ、いつまでも自分が何者かは見えてきません。
越智直正(タビオ会長)
月刊『致知』2009年10月号
特集「人を植える道」
?私を導き、育んでくれたもの?
靴下問屋の丁稚奉公から身を起こし、一代で業界有数の優良企業を築き上げたタビオ会長・越智直正さん。
40代の頃の越智さんがホテルの屋上で夕日を見た時、その夕日が突然、こう語りかけてきたといいます。
「おまえが靴下を選んだのではない。
靴下がおまえを選んだのだ。
日本の靴下業界が困っている時に、
おまえはいったい何をしているのだ」
越智さんは頭を殴られたようなショックを受け、しばらく涙が出て止まらなかったといいます。
そして、越智さんはこの「天の声」を耳にして、日本の靴下業界のためにも奮起しなければならない、と志を新たにされたのでした。
越智さんには、昨年にも本誌(2008年6月号)にご登場いただきましたが、その時に言われた
「僕は、靴下から言われるとおりにやってきました。
靴下のことを一所懸命考えていたら、
靴下がああせい、こうせいというものですから、
その導きのままにやってきたのです」
という言葉が、いまも心に残っています。
『致知』の取材を通して感じる、仕事で成果を出している人の共通項の一つに、愛社精神が強く、自分の我を抑えて積極的にフォロワーシップを発揮している点が挙げられるように思います。
「本当の居場所はここではない」と現実から目を背けたり、「自分探し」という甘い言葉に逃げ込んでしまうのではなく、心底から「仕え切る」という覚悟ができた時に、初めて運命は回転していくような気がします。
「仕え切る」
「天に向かって仕事をする」
「頼まれ事は、試され事」
そんな自分を抜きにして、考え行動する。
お客様から依頼されたことを、人から言われたことという捉え方ではなく、天から言われたこととして、事にあたる。
そんな心境で仕事をすることがすばらしい成果に結びついていくのだろうと思います。
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商売のアイデアはいつも足元に落ちている
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越智直正
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