「顧客にWOW(顧客感動)!をお届けする」ザッポス
ザッポス(Zappos)をご存知だろうか?
最近アマゾンが約800億円で買収した米国オンライン小売業で,メイン商材はシューズ。
無料返品サービスをはじめて導入したことでも知られている。
ザッポスにとって、感動の連鎖は日常にあることだそうだが、最も有名なエピソードは、「母親を突然亡くしたため,プレゼント用に購入したシューズを返品したいと申し出た女性の話だ。電話を受けたコールセンター社員は,悲しみにくれる彼女の元に宅配業者(規約では顧客が集配所まで持っていく必要がある)を手配するとともに,翌日には手書きのメッセージカードを添えた色鮮やかなお悔やみの花束を届けたのだ。感激のあまり号泣した彼女は,その感動をブログにつづり,それがネットを駆け巡ることになった。」という話。
リッツ・カールトン、ノードストローム、ディズニーなど、高い付加価値を背景とした高収益企業の感動創造については、有名な話は多く耳にしたことがあると思うが、通販企業という薄利多売の商売でこのようなエピソードは聞いたことが無い。
それをやっているのが、ザッポスである。
「ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは」によると、
・ザッポスは社員と顧客のために幸せを創造し,幸せを届けることを目的とした会社だ。
・ザッポスの経営フォーカスは「企業文化」。顧客サービスを中核にした企業文化を築き,社員で育むことだ。
・ザッポスのコンタクトセンター(CLTと略)にはマニュアルがない。電話応対する社員の裁量は限りなく大きい。
・ザッポスの社員が提供するのは「忘れ難い体験」であり,それを「幸せのデリバリー」と呼んでいる。
・ザッポスのCLT社員評価は50%がスキル,50%が顧客満足のために普通を超えたサービスを提供できたか。
・ザッポスでは10%にあたる時間を「社員と顧客に幸せを届ける」研究にみなが取り組んでいる。
・ザッポスのマネージャーは10-20%の時間を「チーム・ビルディング」にあてる事を義務づけられている。
・ザッポスは新人を4週間かけ教育する。第1週終了時点で2千ドルもらい採用を辞退するオプションがある。
・ザッポスCLT社員は,顧客の欲しい靴が在庫切れの場合,他社サイトを調べて伝えるよう教育されている。
・ザッポスCLT社員は,靴に関係ないことでも,顧客の質問や要望に親切に対応するよう教育されている。
・ザッポスではツイッターを奨励し,500人超の社員が公開活用している。規約はなく自主性にまかせている。
このようなことを実践し、ザッポスは現実に創業10年たらずで10万ドルを超える売上を実現し,オンラインシューズ市場で30%を超えるトップシェアを勝ち取り,8億ドルを超える金額でアマゾンに買収された。
こんな薄利多売の業界でこのようなことができるには、どんな秘密があるのだろうか?
研究すべきテーマがまた増えた。
【参考】
・ 創業10年でノードストローム超え!急成長ザッポスの感動連鎖サービス
・ 効率重視のデル・モデルを否定!米ザッポスの“反常識”経営
・ 米ザッポスはいかにして顧客を虜にするのか?
ダイヤモンド社(2010-12-03)
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